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コバンソウ(小判草)の春から夏
Greater quaking grass: from spring to summer
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コバンソウ(小判草)は地中海沿岸を原産とするイネ科の一年草です。明治時代に観賞用として渡来し、現在は野生化していて、道路の端や荒地・原野に生息しています。和名が示すように、まさしく小判によく似た実が特徴・・・。花壇やドライフラワーとして、人気があります。
早春に柔らかくて細いみどり色の葉をだし、晩春ごろから初夏にかけて、茎の先に円錐形の花柄を出します。そして細い茎に数個ずつ、まばらに花穂をつけます。長さ1〜2cm、幅1cmぐらい。花びらは雄しべや雌しべの根元につく、「りん皮」と呼ばれる小さな突起で、花びらが退化したものとのこと。
初めは緑色をしていますが、熟すると黄緑色を帯び、さらに次第に色づき、夏も遅くなるころには、黄金色に輝きます。この時期の細い柄につり下がった姿・・・まるで小判や昆虫の卵と間違われるような形です。長い柄に垂れ下がり、風に揺れる姿は風情があります。
野原で群生したコバンソウに出会うと、立ち止まり膝をまげて、見入ります。その時、風がなければ息を吹きかけて、小判のような実を揺らします。あどけなさで答えてくれる野草です。(潮 信輔)
- 登録日
- 2009年11月29日
- 更新日
- 2016年09月26日 11時 02分