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イヌガヤの四季
Four seasons of Japanese plum yew
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イヌガヤは本州から屋久島まで分布する常緑の低木〜小高木です。暖温帯で湿った渓谷の林床や、広葉樹林でよく生育しています。針葉樹で、葉は線形で互生し、細長くて3〜5cmの長さ。表面は暗緑色で、葉質は柔らかく、葉先は短く尖っていますが、触っても痛くないのが特徴の一つです。
雌雄異株で、花期は3〜4月。雄花は淡い黄色で、球形になって下向きに群生します。これに対して雌木では、花は緑色で枝の端近くの葉腋に1〜2個つきます。枝先の雌花は、受粉してから数個の実へ。果実は卵形〜楕円形で、翌年の10月ごろに、丸く大きな種子が実り、肉質の外種皮が熟して赤紫色になります。昔はイヌガヤの実からとれる油が、冬にも凍らないため、屋外の灯火用として使われたとのこと。
イヌガヤはいつも青々していて、雪や氷にも負けず、凛とした強さを持っています。葉に比べて大きな実は光沢があり、小枝の先で個性を発揮しているようです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2021年06月22日
- 更新日
- 2021年06月23日 13時 34分