癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　知床半島は日本の最東北端に位置し、その中央部のウトロ側に知床五湖があります。知床五湖は大自然と原生林に囲まれて、五つの湖が点在します。静かにたたずみ、知床連山を湖面に映しながら、いつも連山の勇姿を見守っています。季節によって周りにも小さな湖や湿原が出没するとのことです。今回来たのは５月下旬。日本で最も遅い春が訪れて、木々は芽ばえ、湿原のミズバショウも緑の葉を広げ、エゾシカが行き来していました。 　  原野に囲まれた岬へと向かう小高い丘へは、高架の木道がよく整備されていました。岬の先はオホーツク海。そして途中にある展望台からは、残雪を頂く羅臼岳、三峰岳、サルイシ岳、オチカバケ岳、硫黄山、知床岳を眺望しました。知床半島の屋根と称され、美しい稜線を描く知床連山の大パノラマ・・・。初めて見た羅臼岳（標高1,661m）、静寂の中に並ぶ残雪の神秘的な知床連山・・・。

　まだ冷たさを含んだオホーツク海からの潮風を頬に感じながらも、立ち去りがたい景色でした。肩に触れる立木の枝先では、新緑もゆれていました。２ヶ月前に九州で確かめた暖かい春が、ここ知床半島にも、穏やかで温かく、確かに訪れていました。（潮 信輔）