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秋の国宝・松本城の大天守と乾小天守
国宝の城である松本城の天守は、梯郭式+輪郭式の平城です。5層6階の大天守に乾小天守がつながる複合連結式の層塔型で、12mの渡櫓が両天守を結び付けています。また東には,辰己附櫓と月見櫓が複合。これらによって、重厚さに華麗さが加わり、その端正な姿は胸に響きます。
大天守は高さ29.4mの望楼型で、最上階は外廻縁の高欄が威厳を伝えています。内部を見ると、最上階(天守6階)の井桁の梁で、互いにがっちりと組まれ天井・・・。急勾配で狭いが、厚くて頑丈な木質の天守に昇る階段など。 戦国時代の面影が伝わってきました。
大天守4階は書院造り風の御座の間。いざというときに城主がいる所(御座所)で、天井は高く四方から光が入っていました。一方、天守3階は窓がない暗い秘密の間。戦のとき武士があつまる所で、外からはわからないようになっているとのこと。光は木連格子からわずかにはいるのみでした。天守2階は窓が多くて、明るい武者溜まりの階。三方には竪格子窓(武者窓)。天守には厚い壁に設けられた石落しと狭間が、25ヶ所もあるとのこと。実戦的な雰囲気に富んでいました。
天守への入口は、大天守と乾小天守をつないでいる渡り櫓にあります。その大手口にあるのが頑丈な扉。天守1階に入ると、多くの柱が並び、丸太柱(乾小天守)は400年以上も経っているとのこと。なお乾小天守の最上階には華頭窓があり、武家文化の香りも漂わせていました。
これまでに4回、松本城を訪れました。 城のたたずまいは、大きな変化はないはずです。しかし今回、あらためてこの城の素晴らしさ、質の深さを実感しました。時の流れが、見る人をも変えて行っているのでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年03月25日
- 更新日
- 2023年05月06日 13時 07分