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越前・瀧谷寺の「石庭、指定名勝庭園、竜泉庭」
Gardens of Takitanji Temple in Echizen
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越前の瀧谷寺(たきだんじ)は、歴史と多くの文化財がある真言宗の寺院です。山号は摩尼宝山。1375年に創建されて以来、福井藩や丸岡藩など、越前を治めた歴代藩主の庇護をうけてきました。越前文化を示す歴史的な国宝や多くの重要文化財に富んだ寺院。4万5千平方メートルの敷地全体が自然の宝庫。境内も趣のある景色が多くあり、とくに日本庭園は有名です。
まず国指定名勝の瀧谷寺庭園は山水型庭園で、林泉は本堂より書院に亘って丘陵の斜面に築造されています。山の斜面にある露岩を利用して小池があり、背景の森林に植わる山椎、樅、高野槙などの巨樹が、奥行きと静寂を高めています。江戸時代前期の作で、福井県下で最初の指定を受けた庭園とのこと。
一方、前庭園の「石庭」は観音堂の正面に位置し、9個の石を心字に配してあります。観音菩薩の慈悲の心を表したものとのこと。苔むした岩が残雪に映えていました。
また龍泉庭は宝珠が、泉のほとりに落ちたことに由来するとのことです。そして竜頭の清水は、枯れたことがないそうです。早春も初秋も、変わることなく水音を奏でていました。
越前の瀧谷寺は参道、門、本堂、観音堂も素敵ですが、3つの庭園はそれぞれ、普遍の趣の中にも個性があります。心に響く何かが、たしかに有ります。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年10月16日
- 更新日
- 2016年10月01日 11時 03分