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秋の金沢城「石川門とその周辺」
Kanazawa Castle: Ishikawa-mon Gate and its surroundings in autumn
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金沢城は1583年、前田利家が加賀・能登の支配をするため、金沢に入城した典型的な平山城です。以後は加賀百万石として知られる前田家の本城。とくに石川門は二重の菱櫓と多聞を組み合わせた構造で、城下町金沢のシンボルとして、多くの人々が訪れます。石川門横、三の丸・鶴の丸の高い石垣・・・。白く光る瓦は鉛瓦。これは屋根瓦型の木版の表面を、厚さ5mm ほどの鉛で被ってあるとのことです。石垣の上の腰に海鼠壁を付けた白壁、鉛瓦のにぶく光る姿・・・・雪国の城郭建築を代表しています。
石川門の表門(高麗門)から枡形の中に入ると、右に直角に折れて櫓門があり、二重の防御構造となっています。まわりは海鼠(なまこ)壁で、これは平瓦を壁面に貼り付け、目地を漆喰で固めたもの。平瓦の内側には鉄砲狭間が隠されています。さらに鉄板で保護された隅柱、白く優美な屋根の鉛瓦。そして櫓の1重目や塀に付けられた唐破風や入母屋破風の出窓・・・。これらは金沢城の建築の特徴です。
石川門の名前の由来は、石川郡の方を向いていたので「石川門」と称したとのこと。搦手の門で、形式的には桝型門、表門・多聞櫓・渡り櫓・菱櫓・太鼓塀から構成され、石川門の周りの8棟が重要文化財に指定され、その全体が「石川門」と言われています。
金沢にはこれまで6回訪れましたが、そのつど、兼六園と向かい側の石川門に足を運びました。金沢城の石川門と周辺には、壮麗さと情緒が重なり合っています。四季おりおりの違った風姿があり、新たな発見があり、想いでも深まります。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年09月05日
- 更新日
- 2016年10月01日 11時 58分