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大雄山最乗寺の「御真殿」・「多宝塔」・「鐘楼」・「開山堂」
Saijyoji Temple
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大雄山最乗寺は1394年に開祖された曹洞宗のお寺で、神奈川県の三大名刹に数えられています。深山にあって、天狗と関係が深い寺院で、道了尊とも呼ばれています。これは創建に貢献した僧の道了が、寺の完成と同時に天狗になり、身を山中に隠したと伝えられていることに由来。堂棟は30余棟におよびます。
階段を上がってゆくと正面は「御真殿」。本尊は道了大薩で、その脇には大天狗・小天狗が祀られています。 修験の道場であり、祈祷の音が響いていました。そして「御真殿」の脇には、天狗の履き物である大小の下駄が数多く並んでいます。赤い下駄が履物奉納としてびっしりと並んでいますが、ほとんどが金属製。天狗の高下駄は、左右一対そろって役割をはたすことから、夫婦和合の信仰とのこと。
さらに上がってゆくと、「奥の院」への急な350段あまりの石段が。そして老杉に囲まれた石段を登ると、大雄山の最も高い所に位置する奥の院があります。
多宝塔は江戸時代の1863年に建立されたものです。方形で層上は円形の木造二重の塔です。高欄のない縁をめぐらし、中央は間桟唐戸、脇は間連子窓とのことです。南足柄市の重要文化財に指定されています。
また鐘楼は銅版の瓦葺で、上重は四手先組物、軒は扇垂木で竜の彫刻をつけています。下重は二手先組物、軒は二軒繁垂木とのこと。
鬱蒼とした原生林や老杉が生い茂り、広大な寺域の大雄山最乗寺。その凛とした山深い森の中で、歴史と文化の奥深さを物語る多くの仏教建築物は、訪れる人々を敬虔な気持ちにさせてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年07月15日
- 更新日
- 2016年09月23日 10時 36分