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小田原城の堀と橋
Odawara Castle: Moat and Bridge
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相模の名城である小田原城は、15世紀ごろから築かれ、星霜を重ねて来ました。とくに16世紀の初頭ごろに、戦国大名の小田原北条氏が居城にしてからは、関東支配の中心拠点としてしだいに拡張し整備されました。そして日本最大の中世城郭に発展。江戸幕府になってからも、箱根を控えた関東地方の防御の役目を果たして来ました。
広い小田原城には、有名な天守閣や石垣のほかにも、当時の面影が色強く残っています。堀やそれらに架かる橋にも。その1つが、本丸東堀跡。かっては幅20mを越す水堀であったこの堀は、今は埋め立てられて空堀になっています。そして四季それぞれの草花が植えられ、訪れる人々の眼を楽しませてくれます。春、ハナショウブの畑では、彩り豊かな花弁たちが、そよ風に揺れていました。また秋には、赤いヒガンバナが・・・。この空堀を越えて本丸へ渡る橋が、朱色の欄干も鮮やかな常盤木橋です。橋のたもとに寄りかかって、草花を眺め、かっての小田原城に想いを馳せました。
また幾重にも張りめぐらされた堀には、秋、ハスの緑葉がびっしりと生い茂り、古い石垣を引き立たせていました。この堀端に架かる小峰橋は、別名を御茶壺橋と呼ばれる平橋です。京都は宇治のお茶を江戸の将軍家に献上する”御茶壺行列”の際、小田原城内に設けられ、保管したのが御茶壺蔵。この蔵を往復するために通った橋が、御茶壺橋(小峰橋)とのことです。これにまつわる歴史も、多くあったことでしょう。小田原城の物語の1つです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年03月09日
- 更新日
- 2024年01月17日 16時 31分