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緑葉期の湖東・西明寺「三重塔、本堂、境内、本坊」
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西明寺は琵琶湖の東、鈴鹿山脈の西山腹に位置する古寺です。山号は龍応山。平安時代の834年に、仁明天皇の勅願により開創された寺院で、金剛輪寺、百済寺とともに「湖東三山」(天台宗)の1つに数えられています。昔は、山内に17の諸堂、300の僧坊があったとのこと。今もその面影がつよく残っていて、「日本100の古寺」「近江水の宝」に選ばれている古刹です。
本堂は中世の天台仏堂の代表作として国宝に指定されています。飛騨の匠によって建立された本堂は、 入母屋造、屋根は檜皮葺で、その他、かえる股や格子模様などといった様式が、鎌倉時代前期を示す和様建築で・・・、釘を使用していないとのこと。 また本堂の右(南)に建つ三重塔(国宝)は、総ヒノキ造りで、屋根も檜皮葺です。鎌倉時代中期〜後期の純和様建築で、その優美な姿の塔は、訪れる人びとに感銘を与えます。三重塔のすぐ傍には、鐘楼があり・・・、梵鐘の響きが、境内にも森の中にも、しみ通って行きます。
西明寺の紅葉は有名ですが、緑の葉に包まれた参道や建物群も見応えがあります。緑色に彩られた葉に囲まれて、歴史深い建物の茶色の板壁や塀・・・。素朴さを浮き立たせます。そして、いたる所に植わっているカエデは、そよ風に小枝を揺らし、緑の葉は柔らかな木漏れ日を受けて、チラチラと輝きます。森からは野鳥のさえずりに乗って・・・、新鮮な緑の香りが、そっと漂ってきます。
紅葉の時に比べて、訪れる人影は少なく、自然の静かさとに良く調和した寺院のたたずまいが、心を穏やかにしてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年08月26日
- 更新日
- 2016年10月01日 11時 06分