TOP > テーマ別おすすめ画像 > 紅葉期の北陸・那谷寺「奇岩遊仙境と芭蕉句碑」
テーマ別おすすめ画像
紅葉期の北陸・那谷寺「奇岩遊仙境と芭蕉句碑」
/
那谷寺は石川県小松市にある自然の摂理(自然智)の教えと白山信仰の寺です。717年に泰澄によって開創された古刹で、とくに986年に花山法皇が行幸の際、岩窟で輝く仏像に深く感銘を受けられ、その後、ご自身が居住されながら七堂伽藍を造営されたことで有名。山号は自生山、寺名は岩屋寺と称された勅願寺です。
「奇岩遊仙境」は太古の噴火の跡と伝えられています。長い年月の間、波に洗われて形成された今日の奇岩群。洞窟が多く掘られ、仏像が見守るおごそかな雰囲気に満ちています。まるで山水画を見るような幽玄的で美しい景色・・・。那谷寺は山と森に囲まれていて、四季おりおりの自然美で訪れる人々を迎えます。とくに秋の紅葉は有名。灰褐色の岩肌に、黄葉や紅葉が映え、常緑の木々とが、豊かな彩りをつくり・・・、深まる秋の風情は、涼しい風を呼びました。
また少し離れた岩場には、奥の細道で名高い松尾芭蕉の句碑があります。奇岩霊石がそそり立つ遊仙境の岩肌に臨んで芭蕉が詠んだ句、「石山の 石より白し 秋の風」の石碑が静かに建っていました。周りを黄葉が包み込み、歌碑にある秋の風で、静かに、音もなく揺れて行きました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2011年07月06日
- 更新日
- 2016年10月24日 14時 44分