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冬・積雪期の永平寺











永平寺は1244年に道元禅師によって開かれ坐禅修行の道場で、現在は曹洞宗の大本山となっています。山号は吉祥山。三方を山に囲まれ、多くの老杉に囲まれた静寂な深山幽谷の地です。七堂伽藍を中心に多くの建物群があります。
まず山門は仏の世界に入る関門とみなされ、永平寺最古の建物です。中雀門は入母屋造で銅板葺の腰屋根を持つ二重門。山門と仏殿の中間に位置していて、下層は幹唐破風で、彫刻装飾も多く認められます。この中雀門から左右に横につながるのが一文字廊で、規則正しい石床が敷いてあります。また長い急な勾配の回廊もあり、ピッカピカに磨かれた厚い板の階段となっています。
法堂は説法の道場で、天保14年(1843年)に改築されたとのこと。長い年月、朝のお勤めをはじめ各種の法要が行われています。仏殿は中国の宋時代の様式を取り入れ、二重屋根と石畳の床を持ち、七堂伽藍の中心に位置しています。承陽殿は永平寺の開山である道元禅師の御真廟。曹洞宗の聖地で、門も内部も厳粛な雰囲気に包まれています。近くには永平寺の2世懐莊禅師の余徳に因んだ孤雲閣もあります。
今回訪れたのは真冬。雪が降り続く寒い銀世界の永平寺で、訪れる人々はまばらでした。多くの建物群の屋根は積雪に覆われ、ときどき積もった雪の塊が、バサッと落ちていました。建物の中も厳しい寒さで、 良く磨かれた廻廊の床は凍るほどの冷たさでした。このような状況の下、寺全体を包む静寂さが一層、感じられました。そして周辺の「森林」のみならず、「寂光苑」、「鐘楼」や「道元立像」の周りも、降雪と積もる雪で白一色に囲まれて・・・。これらの中で、「玲瓏の滝」は凍らずに流れ落ち、「永平寺川」へ合流していました。積雪期の永平寺は敬虔な教えと、時の流れに満ちていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2025年02月11日
- 更新日
- 2025年02月11日 05時 58分