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秋の瀬戸内「鞆の浦」の半日風情
Tomonoura port town in autum
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備後にある「鞆の浦」は、瀬戸内海のほぼ中央に位置して、万葉の代から潮待ちの港と知られて来ました。大陸との交易の場として栄えてきた長い歴史を持つ街・・・。現在でも中世以来の港と、その港町の風情が現存する唯一の地域といえます。都市景観100選と、美しい日本の歴史的風土100選のひとつに選ばれています
港町としての長い歴史を持つ「鞆の浦」には、幕末から昭和初期の街並みが、とくに広い範囲にわたって維持されて、懐かしい情緒がそのまま残っています。これら瀬戸内海を代表する建造物群のうちで、代表的な建物が太田家住宅・・・。重要文化財指定を受けていて、建物は、主屋や保命酒醸造蔵など9棟からなりたっています。この住宅は、幕末の動乱期に長州派の公卿だった三条実美ら7人の公卿が、禁門の変によって西に追われた「七卿落ち」のときに滞在した建物です。 また「鞆の浦」は琴の名曲「春の海」の舞台となり、最近では宮崎駿が「崖の上のポニョ」の構想練った場所として知られています。穏やかな瀬戸内海の自然と歴史がもつ文化が背景にあったのでしょう。
晩秋の午後から夕暮れまで、港とその周辺の街並みを散策しました。空の色は夕焼けから日の入りを経て夜の帳へ、また吹く風もしだいに冷たくなって・・・。しかし家並みからの灯りは、心を暖かくしてくれました。歴史の深さに伴った港と街のロマンに、想いを馳せながら歩き続けたためでしょう。想い出のしずくも増えて、身体も暖かくなっていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年12月05日
- 更新日
- 2016年09月30日 11時 47分