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秋の瀬戸内「鞆の浦」の港と常夜燈
Tomonoura port town in autum
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備後にある「鞆の浦」は、瀬戸内海のほぼ中央に位置して、万葉の代から潮待ちの港と知られて来ました。大陸との交易の場として栄えてきた長い歴史を持つ町・・・。現在でも中世以来の港と、その港町の風情が現存する唯一の地域といえます。都市景観100選と、美しい日本の歴史的風土100選のひとつに選ばれています。
さまざまな歴史の舞台をみつめてきた「鞆の浦」には、江戸時代の港湾施設である「常夜燈」、「雁木」や「波止場」などがみられます。とくに「常夜燈」は、「灯籠燈(とうろどう)」とも呼ばれ、船の出入りを誘導するために、江戸時代(1869年)造られた燈台です。燈の高さは5.5m、基礎の石は、3.6m。現存するものとしては、日本一の高さを誇る常夜燈とのことです。そのすぐ傍には、幕末に発生した「いろは丸事件」の処理に伴い、坂本龍馬たちがか活躍した記念館が港を見つめています。
晩秋の遅い午後から、日暮れまで「鞆の浦」を歩きまわりました。まだ青空が残る静かな午後の港は、西空から次第に夕映えに染まり、やがて日の入りとともに、暮色へ・・・。鞆の浦のシンボルである「常夜燈」にも、明かりが灯り、秋の夕暮れは静かに、静かに船や港の海面をだいだい色に染め分けて・・・、やがて夜の帳に包まれて行きました。そして海辺にある古い家々の窓にも、暖かい光が灯り、ゆらゆらと海面に揺れて・・・。歴史がある港町の夜の風情に、こころも揺れて、いっそう忘れ難いものになりました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年12月05日
- 更新日
- 2016年09月30日 11時 46分