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阿蘇「仙酔峡」とミヤマキリシマ群落
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阿蘇の仙酔峡は、阿蘇カルデラの中にある中岳と高岳の北麓に位置し、これらの岳への登山の 拠点です。標高は約900mで、周辺は火山の流出した溶岩によって出来た渓谷となっています。ここからは高岳の荒々しい鷲ヶ峰や白煙たなびく中岳がよく見え、反対側に眼を向ければ、カルデラや北側の外輪山が一望できます。
仙酔峡といえば、自生するミヤマキリシマの群落があまりにも有名。5月に約5万本のミヤマキリシマが、ピンク色、紫紅色の花をいっせいに咲かせて・・・、山肌を花の絨毯で飾ります。「仙酔峡」の地名は、これらの花たちが山を染める美しさに、仙人すら酔ってしまったという伝説 にちなんでいるとのことです。満開のミヤマキリシマが織りなす景色を見ると、別世界の様で、この伝説がうなずけます。
火山活動などによって植物等の生態系が乱された荒々しい山肌に、長年の風雪に耐え這うように群生してしているミヤマキリシマ。しかも、幹が1cm成長するのに、数十年もの時間を要しているとのことです。
有史以前から気が遠くなるほどの年月を経てきた阿蘇山。世界最大級のカルデラを有し、元来ふたつの島を火山の噴火活動にて、ひとつの九州という島が出来たといわれています。この火山帯の岩石の傍で、可憐なミヤマキリシマは美しい花びらたちは、訪れる人々に時の流れと植物の温かさを語っています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年02月03日
- 更新日
- 2023年08月07日 18時 46分