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春雨に濡れる新緑の奈良「談山神社」
Spring scenery of Tanzan-jinja Shrine in Nara pref.
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談山神社(たんざんじんじゃ)は、奈良県桜井市にある神社で、神社のすぐ裏の山で、大化の改新の前に中大兄皇子、中臣鎌足が会って相談したという故事があることから、談山神社とよばれています。明治時代に行われた廃仏毀釈の影響を受けて、寺を廃し神社のみとなりましたが、寺院建築の建物が残っていて、神仏習合が今も色濃く残る独特の雰囲気を残しています。その代表的なものは十三重塔です。
また、森の中にあって、四季折々の森や木々の美しい変化を観ることができます。とくに秋の紅葉は有名で、多くの人々が訪れます。前回に観た秋の紅葉の情緒が忘れられず、今回訪れたのは小雨に濡れる新緑の春。 新鮮な黄緑色のモミジに包まれた参道の中、朱塗りの鳥居と長い石段を登って楼門へ。その楼門は透廊が本殿と拝殿を連結しています。懸け造りの拝殿は、廻縁をめぐらし勾欄を備え、軒先には多くの釣燈籠が並んでいます。廻廊に立ち、周りの新緑に抱かれ、緑の香りを乗せた山風を肌で感じながら、歴史の風に思いを馳せました。
広い境内には、歴史を経た建物が多くあります。新緑の森を背景に凛として立つ木造の十三重塔。そして鮮やかな多彩な色で飾られた総社本殿や神廟拝所、ひっそりと佇む比叡神社や末社群・・・。これらは春の小雨に濡らながら、周囲の新緑にいっそう映えていました。苔むした多くの灯籠たちは、緑の枝葉にひっそりと溶け込み、また滝の音にまじって野鳥のさえずりも聞こえて来ました。春雨に濡れ新緑に包まれた森閑の談山神社は、紅葉のころとは違った風情に満ちていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2021年03月11日
- 更新日
- 2021年03月13日 17時 54分