TOP > テーマ別おすすめ画像 > 秋の紅葉に染まる奈良「談山神社」
テーマ別おすすめ画像
秋の紅葉に染まる奈良「談山神社」
談山神社(たんざんじんじゃ)は、奈良県桜井市にある神社で、神社のすぐ裏の山に於いて、大化の改新の前に中大兄皇子、中臣鎌足が会って相談したという故事があることから、談山神社とよばれています。明治時代に行われた廃仏毀釈の影響を受けて、寺を廃し神社のみとなりましたが、寺院建築の建物が残っていて、神仏習合が今も色濃く残る独特の雰囲気を残しています。その代表的なものは十三重塔です。
また、森の中にあって、四季折々の森や木々の美しい変化を観ることができます。とくに秋の紅葉は有名で、多くの人々が訪れます。私もうわさに惹かれて、秋景色を観に来ました。
紅葉や黄葉のモミジに包まれた参道の中を、まず朱塗りの鳥居をくぐり、紅葉のトンネルが覆う長い石段を登って楼門へ・・・。その楼門は本殿と拝殿に連結しています。拝殿は懸け造りで、畳敷きの広間から外を見ると、柱で囲まれた間からみるモミジの紅葉は、まるで額縁絵の様でした。廻縁をめぐらし勾欄を備え、軒先に多く並ぶ釣燈籠。廻廊に出て、真っ赤に染まったモミジに抱かれ、秋景色の森から吹いてくる涼風を肌で感じながら、季節の移ろいの確かさと、この神社の栄枯盛衰の長い歴史に思いを馳せました。
山腹にある談山神社には、広い境内を有し、建物群がそれぞれの特色を誇っています。日本唯一の木造の十三重塔。鮮やかな多彩な色で飾られた総社本殿、東西の宝庫や神廟拝所、ひっそりと佇む比叡神社や末社群。これらは周囲の紅葉や黄葉に囲まれて、その秋模様にすっかり溶け込んでいました。苔むした灯籠の頭には、黄葉の落ち葉が過ぎゆく秋を感じさせて・・・。秋の談山神社は、黄色や紅色のモミジに染め上げられて、新緑の春とは違った風情と情緒が漂っていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2018年01月25日
- 更新日
- 2018年01月26日 11時 17分