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冬・積雪の角館「武家屋敷通り」と「桧木内川」
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秋田県の仙北平野にある角館町は、三方が山々に囲まれ、また玉川と桧木内川に沿いに市街地が広がる静かな町です。歴史ある武家屋敷が並び、「みちのくの小京都」と呼ぶにふさわしい、落ち着いた風情と情緒を漂わせた城下町・・・。とくに「内町(うちまち)」は、築200年に近い、古い武家屋敷群や土蔵が数多く建ち並んでいて、国の重要伝統的な建造物群保存地区の指定を受けています。この通りには、黒板塀に垂れ下がるしだれ桜が続きます。また、桧木内川に沿いにも、古い桜並木が続き、河原の四季の移ろいを見守っています。
冬、角館の武家屋敷通りは、白銀の世界に包まれます。行き交う人も少なくなった武家屋敷通りに、雪はしんしんと降りしきります。長く続く黒い板塀、茅葺の屋敷門の上にも、雪は積り・・・。 墨絵、山水画のような風情が、静けさを募らせます。その中で、赤いポスト、ナナカマドの赤い実たちが、存在感を高めていました。
桧木内川は、河原も土手の桜並木も、白一色の積雪に覆われます。桜の枝は雪の重みをしっかり受け止めながら、折れることなく春を待っているその姿・・・。逞しさが備わっています。川の中州では、凍っていない水流のところで、水鳥たちが一塊となって休んでいたり、時には餌を求めて、羽ばたいていました。静の中に動が息づいています。
雪は、武家屋敷通りも、桧木内川も、ときたま行き交う人々の肩にも、しんしんと、染み渡っていきます。静けさが周りを包みながら・・・、時は流れて、流れて行きます。やがて、春のきざしも訪れます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年06月29日
- 更新日
- 2016年10月02日 12時 08分