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筑前の小京都・秋月「目鏡橋の四季」
Four seasons of Megane-bashi Bridge: arched stone bridge in Chikuzen Akizuki
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福岡の秋月にある「目鏡橋」は、秋月の入り口に架かっていて、1810年に築造されたアーチ型の石橋です。当時、欧州の石橋を築造する技術を習得した長崎の石工によって造られたものです。そこで別名が長崎橋で、県の指定有形文化財になっています。また、花崗岩造りでは、我が国で唯一とのこと。 筑前の小京都と言われる、秋月の名物のひとつです。眼鏡橋と書かずに秋月では「目鏡橋」と記され、多くの観光客が訪れます。
夏の目鏡橋は、深緑の森と木々に包まれます。橋の傍では、真っ赤なカンナの花やピンク色のサルスベリの花が咲き、下を流れる野鳥川の淀みでは小魚たちが泳ぎ廻り、セミの声が響きました。 秋は静かにやって来て、森の風と川の音も次第に秋めいて来ます。そして橋のたもとにある楓の木は、秋の紅葉を身にまとい、その姿はとくに美しいことでも有名です。
寒い冬になると、山に囲まれた秋月に雪が舞います。目鏡橋も、冬木立も、冬枯れの川原も、静かに息を潜めて、時の流れを待ちます。
そして春・・・。楓の木は、黄緑色の新緑に萌え、川原では黄色のナノハナが咲き乱れ、白い蝶々たちが春の花蜜を求めて飛び回ります。近くでは白とピンク色の桜が、満開を迎えます。
風格ある目鏡橋は 四季の変化を見つめ、野鳥川の流れを見つめながら、長い歴史を重ねてきた石橋です。多くの老若男女の人々が、それぞれの人生を背負って、春夏秋冬の景色を友として、この石橋を渡ってきたことでしょう。そして、橋のたもとにある一本のモミジの木・・・。それぞれの人々の喜怒哀楽に、寄り添いながら、人々の幸を祈ってきたことでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2018年10月10日
- 更新日
- 2018年10月10日 10時 26分