TOP > テーマ別おすすめ画像 > 秋霧の北海道「昭和新山」
テーマ別おすすめ画像
秋霧の北海道「昭和新山」
Mt. Showashinzan shrouded in autum fog
/
北海道にある昭和新山は、支笏洞爺国立公園に含まれ、国指定特別天然記念物です。粘性の高い溶岩によって形成された溶岩円頂丘で、現在も噴気活動が見られ、日本の地質百選に選定されています。
洞爺湖の外輪山をなす有珠山のふもとの平地であったところに、1943年12月から1945年9月までの2年間に17回の火山活動がありました。そして高さ398mの火山の溶岩ドームが形成されたことで有名。しかも地元の郵便局長、三松正夫氏がその成長の詳細な観察記録と測量結果を残したその努力と見識は、胸を打ちます。今も三松家の私有地であり、世界でも珍しい私有地内にある火山とのこと。
秋に訪れた昭和新山は、霧に包まれていました。そして白い霧と噴気が一体となり、赤い男性的な山肌を流れて行きました。霧に隠れたり、また現れたりする白い噴気と赤い岩肌・・・、生きている自然の息吹が、静かな秋模様に動きを与えます。ふもとでは、黄葉や紅葉を纏った木々が見え隠れし・・・、紫色の野菊や橙色のナナカマドの実が秋の風情を語っていました。”明日は秋晴れになります”、との予報がありましたが、霧の秋景色は忘れがたい旅愁を抱かせてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年07月06日
- 更新日
- 2016年09月30日 16時 00分