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冬・積雪の北海道「昭和新山」と「有珠山」
北海道の有珠山は洞爺湖の南に位置し、 約2万年前から噴火を繰り返して成長した成層火山です。過去の100年間にも、4回の噴火活動が観測された日本でも活発な活火山・・・。2000年3月に生じた大噴火は記憶に新しいところです。20〜50年程度の間隔で噴火し、火口の位置は噴火の度に変わるとのこと。
現在は標高737mの二重式火山で、直径は1.8km。この中にに大有珠、小有珠、有珠新山などといった、溶岩でできた円頂丘群が形成されています。 また山麓には、昭和新山、明治新山などの円頂丘群も有しています。
昭和新山は、支笏洞爺国立公園に含まれ、国指定特別天然記念物です。日本の地質百選に選定されています。洞爺湖の外輪山をなす有珠山のふもとの平地であったところに、1943年12月から1945年9月までの2年間に17回の火山活動がありました。そして高さ398mの火山の溶岩ドームが形成されたことで有名。
冬、洞爺湖の周辺は積雪で白一色の世界に変わります。今回訪れた時は、快晴で、青空の中に白銀の有珠山は一層くっきりと映え、まぶしいくらいでした。一方、昭和新山は寒風が強いためか、または火山の熱のためか、山容は薄い雪で覆われる程度でした。赤い溶岩の山肌からは、数か所、白い噴気が風に流されて・・・。時々渦巻く寒風に、岩面や岩の間に薄く積もった雪が、粉雪となって舞い上がります。そして、噴気の白い色と混じり合っては、透き通るような青空に姿を消して行きました。
昭和新山の麓ではすっかり葉を落とした裸木が、枝先を揺らしていました。山肌からの噴気や木々の動きの中、戦争中にこの推移を観察し続けられた三松正夫氏の銅像が、不動のままで、両足を踏ん張って、この火山をじっと見守っている様でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年02月12日
- 更新日
- 2016年09月21日 12時 08分