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冬・氷雪期の奥日光「華厳の滝・竜頭ノ滝」
奥日光にある「華厳の滝」は中禅寺湖から流れ出した水が、高さ97メートルの断崖から一気に、滝壺まで直下する豪快な滝です。日本の三大名瀑のひとつです。切り立った岩壁、周りの木々、上の空模様など自然の推移をともなって、四季それぞれが織りなす造形美を見せてくれます。春の萌えるような新緑、秋の鮮やかな紅葉、などを友にしながら、黒みを帯びた柱状節 理の岩壁を背景にして、落ち続ける真っ白な滝筋・・・・。滝つぼでは、水煙が舞い上がり、岩や水草を濡らしています。
冬、華厳の滝は氷結して、動きを休みます。広大な岩壁の中段あたりから流れていた、十二滝と呼ばれる伏流水も凍ります。大きな滝が凍る場合、滝の水量にも左右されますが、温度は-10℃〜30℃くらいになってから、氷結するとのこと。冬木立を背に、氷結した大きな滝筋は、周りの氷柱を伴って冬の冷厳さを伝えます。冬の「華厳の滝」は男性的です。
一方、奥日光にある「竜頭の滝」は、湯ノ湖から流れ出た湯川が中禅寺湖に入る手前にある滝です。直下型の滝ではなくて、男体山の噴火による溶岩が斜面状に固まった上を、約210メートルにわたって流れ落ちる滝です。「竜頭」の名は、流れが滝壺近くにある大きな岩によって二分され、その有様が丁度、竜の頭に似ていることから。
「竜頭の滝」も冬は、ほぼ氷結します。半氷結した上流の渓流は、斜面の岩を抱き、雪が積もった流木や枯れ枝を揺らがせます。滝では2つに分かれた白い竜頭が、自然の厳粛さを告げます。そして落葉樹の間では、常緑樹たちが真緑を保って一服の安らぎを感じさせ、緑あふれる春の期待を呼び込みます。四季は巡ります。冬があって春が来るのです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年11月15日
- 更新日
- 2021年01月30日 17時 51分