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コバンソウ(小判草)とヒメコバンソウ(姫小判草)の春と夏
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コバンソウ(小判草)は地中海沿岸を原産とするイネ科の一年草です。明治時代に観賞用として渡来し、現在は野生化していて、道路の端や荒地・原野に生息しています。和名が示すように、まさしく小判によく似た花穂が特徴・・・。花壇やドライフラワーとして、人気があります。
早春に柔らかくて細いみどり色の葉をだし、晩春ごろから初夏にかけて、茎の先に円錐形の花柄を出します。そして細い茎に数個ずつ、まばらに花穂をつけます。長さ1〜2cm、幅1cmぐらい。花びらは雄しべや雌しべの根元につく、「りん皮」と呼ばれる小さな突起で、花びらが退化したものとのこと。
初めは緑色をしていますが、熟すると黄緑色を帯び、さらに次第に色づき、夏も遅くなるころには、黄金色に輝きます。この時期の細い柄につり下がった姿。まるで小判や昆虫の卵と間違われるような形です。長い柄に垂れ下がり、風に揺れる姿は風情があります。
ヒメコバンソウは一年性植物で、茎は直立し、無毛の細長い葉を持ちます。花は長さ5-15cmの円錐花序で、淡い緑色を帯びた5個内外の小さな花(小穂)をつけます。小穂を振ると、かすかな音をたてます。ことからスズガヤとも呼ばれます。花言葉は、 私の心の声に気が付いてとのこと。言い当てています。
野原で群生したコバンソウやヒメコバンソウに出会うと、立ち止まり膝をまげて、見入ります。その時、風がなければ息を吹きかけて、小判のような穂を揺らします。あどけなさで答えてくれる野草たちです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年11月13日
- 更新日
- 2021年01月26日 08時 56分