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秋・紅葉期の大興善寺
佐賀の基山町にある大興善寺は、約1300年の歴史をもった天台宗別格本山の古いお寺です。奈良時代の養老元年(717年)に行基が開創したと云われ、山寺の風格に満ちています。 寺のシンボルである127段の石段。その急勾配の長い石段の先には、山門が迎えてくれます。わらじと杖があり、振り返ると豊かな佐賀平野がよく見えます。そして寺と裏山は春夏秋冬、季節の衣をまといながら、それぞれの風情を見せてくれます。とくに春のツツジ、秋の紅葉は見事で、多くの人々が訪れます。
秋の風情を求めて、澄みとおった青空に誘われて、再訪しました。急な坂の参道石段を昇り切るあたりに、楓の紅葉が迎えてくれました。草鞋と杖が架かっている仁王門をくぐると、鐘楼や神木の周りは秋模様・・・。檜皮葺きと茅葺き屋根の本堂の傍に、黄葉と紅葉を纏った楓が、秋風にゆれています。そして梅雨時に比べて少し褪色したが、まだ緑色を保った苔と、季節の移ろいを告げていました。
裏山の広大な斜面も黄色、橙色、紅色の落葉樹の葉に覆われ、それらの中で緑葉樹も混じり、彩り深い景色を奏でています。「一目一万本」と呼ばれる春のツツジ園は、緑一色に変わり、緑葉樹の杉林に溶け込んでいました。
広い森の中ほどに、茶屋と庭園があります。編んだ竹垣、池の緋鯉、苔むした灯籠、イチョウの黄色い落葉の絨毯、そして大きな真紅の日傘・・・・。小さな和風の座布団には、可愛い手の形をした1つのモミジ葉が、静けさを深めていました。 大興善寺は山寺の風格に、秋の紅葉がおりなす風情が、互いに寄り添います。そして四季それぞれ、周囲の自然と調和した美は、訪れた人々の感動を呼びます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年03月04日
- 更新日
- 2017年10月05日 08時 52分