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積雪期の信州上田「安楽寺」
Anrakuji-temple surrounded bysnow in Nagano pref
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安楽寺(あんらくじ)は長野県上田市の別所温泉にあって、長野県で最古の禅寺と国宝の八角三重塔があることで有名です。曹洞宗の寺院で山号は崇福山。安楽寺は、鎌倉北条氏の庇護によって栄え、相当の規模をもった禅寺であり、多くの学僧を育てています。鎌倉との関係が深く、近くには“いざ鎌倉へ”を示す街道があったとのこと。
安楽寺は時代と共に栄枯盛衰がありましたが、境内の奥の山腹にある「八角三重塔」は戦乱にも耐え、現存する近世以前の八角塔としては、我が国で唯一のものとのことです。全体が禅宗様で造られ、高さは18.75メートル。仏塔は裳階(もこし)付で、屋根はこけら葺きとなっています。鎌倉時代の文化遺産として、古い禅寺のおもかげを見ることができます。
冬の安楽寺は山と森、参道も、周りは白銀の世界に覆われていました。白い息を吐きながら、注意して歩いた氷雪の滑りやすい参道。大きな杉林の傍で、新しい赤の帽子とよだれ掛けを身につけ、並んで迎えてくれた地蔵さんの列・・・、白い雪に良く映えていました。その先には八角三重塔が遠く見えました。急ぎたい気持ちを抑えながら、転ばないように一歩一歩登り、八角三重塔に近づきました。重なる屋根は積雪で真っ白で、褐色の板壁と一緒に造る景観は、風格を高めていました。また本堂も鐘楼も静まり返り、寺池は氷結してその上に枯れ落葉が留まり、静寂の世界でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年04月02日
- 更新日
- 2016年09月12日 10時 33分