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夏深緑期の信州上田「安楽寺」
Anrakuji-temple surrounded by summer green in Nagano pref
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安楽寺(あんらくじ)は長野県上田市の別所温泉にあって、長野県で最古の禅寺と国宝の八角三重塔があることで有名です。曹洞宗の寺院で山号は崇福山。安楽寺は、鎌倉北条氏の庇護によって栄え、相当の規模をもった禅寺であり、多くの学僧を育てています。鎌倉との関係が深く、近くには“いざ鎌倉へ”を示す街道があったとのこと。
時代と共に栄枯盛衰がありましたが、境内の奥の山腹にある「八角三重塔」は戦乱にも耐え、現存する近世以前の八角塔としては、我が国で唯一のものとのことです。全体が禅宗様で造られ、高さは18.75メートルとのこと。仏塔は裳階(もこし)付で、屋根はこけら葺きとなっています。鎌倉時代文化遺産として、古い禅寺のおもかげを見ることができます。
夏の安楽寺は山と森、参道も、周りは深い緑色の草木に包まれていました。緑陰の中、素朴さと質実剛健の鎌倉文化を示す鐘楼や八角塔の渋い茶褐色の柱や板壁・・・。そしてセミの声が絶え間なく響きあっていました。そして参道の脇には、古い赤い帽子とよだれ掛けをつけたお地蔵さんが、静かに並んで立って居られました。寺の庭には青紫色のキキョウが、僅かな涼風感を漂わせていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年03月12日
- 更新日
- 2016年09月12日 10時 48分