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天領・日田の「千年あかり祭り」の朝・夕・夜
Morning, evening and night view in Hita Tenryo Festival and Sennen Akari in Oita Prefecture
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大分県の日田は、江戸時代に幕府直轄の天領として栄えてきました。とくに1686年に、日田に九州を統括する「西国筋郡代」が置かれてからは、長い年月をかけて九州の政治、経済の中心地として栄えました。町人文化の栄えたのが豆田町。風格ある古い町家群が並び、なによりも伝統をまもる街の人々に、文化を担おうとする崇高な気質を感じます。この気質がよく現れたのが、日田の天領祭りに行われる「千年あかり祭り」です。とくに 夜には、約3万本の竹灯篭による幻想的な風情と情緒を今に伝えます。
「千年あかり祭り」は夕方から夜まで、花月川の河川敷や豆田の古い町並みを、優しく照らし出し、訪れた人々を伝統に培われた幽玄の世界へと、静かに誘います。歴史的な街並みが残る豆田町の街道や掘割に並ぶ多くの竹灯篭・・・。蝋燭の柔らかい灯りは、チラチラと揺れては周りを、暖かく浮かび上がらせます。竹竿の先に付けられた灯籠の影と灯りは、掘割の川面に揺れ、散策中に触れ合う情緒を高めます。
そして花月川に架かる橋の上から観る河川敷の景色。空に昇った月の下、夕闇から時間とともに次第に明るさを増してゆく灯り、闇夜の水面を、ぼーっと幻想的に照らし出しては、静かに共に流れて行きました。川面を見つめていると、時の流れを忘れました。翌朝、曙の色を染めた花月川は、静かに流れて、空には活動を始めた朝の野鳥たちが、さえずりを運んでいました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年10月17日
- 更新日
- 2024年07月20日 08時 00分