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天領・日田の古寺「長福寺と万灯会」
Tyouhuku-ji Temple: a historic old temple in Ooita (autumn)
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長福寺は江戸時代の天領、日田の豆田町にある浄土真宗寺院です。天正12年(1584)、宗榮によって開山され、山号は「照雲山」。寛文9年(1669年)に再建された本堂が特に有名・・・。この寺は近世を代表する九州最古の真宗寺院本堂として、重要文化財に指定されています。この寺からは多くの学僧が生まれ、天領日田の学術文化に貢献してきました。のちに咸宜園を開く廣瀬淡窓も、当初はこの寺の学寮で開塾したとのことです。
そのほかに境内には、風格ある山門、鐘楼、経蔵などがあり、また樹齢300年以上のケヤキの老巨木はじめ、イチョウなどの樹木が歴史を語っています。また寺庭には素朴な池泉があり、ツバキ、センリョウ、マンリョウなどの低い木が、四季折々の風情を高めています。
風格ある長福寺は、伝統的建造物群保存地区に指定されている豆田町の町並みにあって、重要な景観を構成しています。そのため、「日田天領まつり」で行われる「千年あかり」では、長福寺の山門から境内いっぱいに「万灯会」が行われています。無数に広がる長短の竹筒・・・。夕暮れが近づくと、老若男女の人々によって竹筒にろうそくが灯され、やがて宵闇には万灯が揺れ、訪れる人々の顔を優しく照らします。金色の光に浮かび上がる本堂、そして濡れ縁に置かれたススキの穂が、チラチラと揺れていました。1日の流れの中に、幽玄の世界を感じることが出来ました。(潮信輔)
- 登録日
- 2013年09月20日
- 更新日
- 2016年09月21日 10時 46分