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初秋と晩秋の銀山温泉周辺「白銀の滝・洗心峡」
銀山温泉は、昔の出羽国、現在は山形県の尾花沢市にある温泉街です。渓流が下る銀山川の両岸に、木造の高層建築である旅館が多く立ち並び、それらは大正から昭和初期にかけてロマン溢れる風情を醸し出しています。訪れる人々に、郷愁を呼び起こします。近くには峡谷に沿って銀の鉱山跡(銀鉱洞)があり、峡谷には長蛇渓、洗心峡と呼ばれる美しい渓谷が続きます。そして温泉街のそばでは、「籟音の滝」や「白銀の滝」などが、温泉客を四季折々の景観で誘います。 今回は夏の緑が残る初秋と、紅葉の晩秋に訪れて、秋の移り変わりを実感しました。
「白銀の滝」は、銀山温泉街の中を静かに流れる川の山側に向かったすぐ上流にあります。対岸には観瀑台があり、そこから見る滝の全体像は圧巻です。高さが約20mで、大きな褐色の岩を、数筋に分かれて流れ落ちています。また「洗心峡」は白銀の滝のすぐ上流に位置し、森に囲まれ、やや広くなった岩場です。そこは低い滝である「籟音の滝」と、渓流によって侵食されたいろいろな岩で形成されています。
初秋も晩秋も2つ滝の形や水量、水しぶき、岩場の姿、渓流の方向は、初秋も晩秋も同じでした。しかし周りの森の色は、季節の変化を語っていました。オレンジ色を含んだ緑の森や草木の緑葉は、2か月後には、黄葉や紅葉へ・・・。初秋の黄色いアキノキリンソウや紫色のタムラソウの花たちは、晩秋には赤いニシキギの実や赤紫色のツルリンドウに、席を譲っていました。
そして渓谷の空気は涼から寒へと変わり、森の静寂も増し、野鳥たちの囀りが、より高く、より澄んで青空を渡ってゆきました。同じ秋でも、森の自然は、確実に時の流れを知らせてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年12月31日
- 更新日
- 2016年09月12日 14時 41分