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夏緑葉期の金閣寺「参道、鐘楼、総門、方丈、陸舟の松」
金閣寺は正式な名称を鹿苑寺といい相国寺の塔頭寺院の一つです。舎利殿の「金閣」が特に有名なため、一般的には金閣寺と呼ばれています。室町幕府の三代将軍であった足利義満が、山荘北山殿を造ったのが始まりとされ、京都の北山文化の象徴として、国内外に知られる名刹です。山にかこまれた広大な境内には、多くの建物、庭園や池、義満公由来の名所があり、世界遺産(文化遺産)に指定されています。 四季それぞれ、趣のある景勝で人々を迎えてくれます。
金閣寺総門への参道は、広くて両脇に古い樹木が生い茂り、静寂に包まれています。この長い参道を進むと、たどり着くのは真正面の総門。そしてその途中には鐘楼があり、時どき参拝者がつく鐘の音が、響いてきます。また参道の角には、名古木「イチイガシ」が見事な幹と枝ぶりを見せます。
金閣寺の境内に入ってすぐに、鏡湖池の東側に面して方丈と庫裡があります。方丈は本堂に相当し、単層の入母屋造で瓦葺にて、重厚な感じがあります。1678年に、後水尾天皇の寄進により再興されたとのこと。
この方丈の書院の庭に、あるのが船の形をした陸舟(りくしゅう)の松です。齢は約600年とのことで、京都三松の一つに数えられている名木。五葉松で義満の盆栽から移植されたと言われ、常緑の姿で歴史を語っています。
今回訪れたのは暑さ厳しい挽夏の8月。参道脇の樹木、鏡湖池の周りの森、池に浮かぶ小島や建物群を飾るの木々も、濃い緑一色の候・・・。深緑の葉は繁りに繁り、蝉しぐれが、調子をとるように聞えてきました。近くの丘陵には緑の森に囲まれて、大文字の字が浮かんで見えました。一瞬、鏡湖池を渡って来た風は一服の涼を含んでいました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年05月06日
- 更新日
- 2016年09月21日 10時 24分