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冬・積雪期の金閣寺「舎利殿(金閣)と鏡湖池」
金閣寺は正式な名称を鹿苑寺といい相国寺の塔頭寺院の一つです。舎利殿の「金閣」が特に有名なため、一般的には金閣寺と呼ばれています。室町幕府の三代将軍であった足利義満が、山荘北山殿を造ったのが始まりとされ、京都の北山文化の象徴として、国内外に知られる名刹です。山にかこまれた広大な境内には、多くの建物、庭園や池、義満公由来の名所があり、世界遺産(文化遺産)に指定されています。
舎利殿は漆地に金箔を押した三層の宝形造の楼閣であることから、「金閣」として有名。鹿苑寺の通称「金閣寺」の由来となっています。3つの層は、それぞれに異なる様式を採用した特異な建築です。初層は寝殿風、二層は書院造風、三層は仏殿風で、二層と三層には金箔をはってあり、室町期の楼閣建築の代表的例とみなされています。鏡湖池に臨むその姿は美しいかぎりです。
鏡湖池は国の特別史跡・特別名勝に指定されてい池泉回遊式庭園です。金閣を水面に映す鏡湖池は、多くの島々や奇岩名石が配置されています。
金閣寺は四季それぞれ、趣のある景勝で人々を迎えてくれます。
今回訪れたのは冬で、雪が強く降ったり、止んだり・・・。舎利殿の屋根は雪が浅く積もり、金色の鳳凰が雪空に溶け込んでいました。金箔が貼ってある書院造風の二層と仏殿風の三層では、降る雪は霞んでいましたが、寝殿風の初層では褐色の板壁を背景にして、雪がすだれ状となって、くっきりと見えました。
そして緑葉期や紅葉期に比べて人影が少ない中、鏡湖池は静かな姿で、金閣(舎利殿)を引き立てていました。周りの森は冬木立が目立つ中、常緑樹が潤いを与え・・・、広い池に浮かぶ大小の島では、緑の松が変わることなく力強く立っていました。池面には小波が流れたりし、その都度、水面に映る金閣や木々の影が揺れていました。雪の金閣寺は、すっぽりと静寂の美に包まれていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年04月04日
- 更新日
- 2016年09月12日 13時 51分