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冬・積雪の金閣寺「夕佳亭と不動堂」
金閣寺は正式な名称を鹿苑寺といい相国寺の塔頭寺院の一つです。舎利殿の「金閣」が特に有名なため、一般的には金閣寺と呼ばれています。室町幕府の三代将軍であった足利義満が、山荘北山殿を造ったのが始まりとされ、京都の北山文化の象徴として、国内外に知られる名刹です。山にかこまれた広大な境内には、多くの建物、庭園や池、義満公由来の名所があり、世界遺産(文化遺産)に指定されています。 四季それぞれ、趣のある景勝で人々を迎えてくれます。
夕佳亭(せっかてい)は小高い位置にあり、数寄屋造りの茶室です。ここから眺める金閣(舎利殿)が、夕日に映えて美しいことから、夕日に佳い茶室として「夕佳亭」と名付けられたとのことです。江戸時代の茶道家の金森宗和が建てたもので、素朴な中に秘めた格式が感じられます。そして上段の間にある三畳敷の床柱には、茶席としては珍しくナンテンの木が用いられていて、「南天の床柱」として有名・・・。また夕佳亭の前庭の片隅には、足利八代将軍義政が愛用したといわれている「手水鉢」と「石灯篭」が置かれていて、歴史を語っています。
今回訪れたのは積雪の冬。凍てつくような寒さの中、夕佳亭の茅葺きの屋根や周りの庭、手水鉢」と「石灯篭」にも、薄く白い雪が・・・。そして開き放たれている茶室では、「南天の床柱」が季節を越えて、ありのままの姿でこちらを見つめているようでした。傍では、雲間から射し込む冬陽が、椿のピンク色の蕾を愛しむように温めていました。
夕佳亭から数十メートル離れた所にある不動堂は、天正年間に再建されたと言われていて、金閣寺境内に現存する最も古い建物です。本尊は空海(弘法大師)作と伝えられる石不動明王で、参拝者が立てる線香の煙と香りが絶えません。
冬の不動堂は寒さにもかかわらず、大勢の人々が手を合わせ、鐘をたたき、線香に火をつけ、その煙が冬空にゆっくりと昇って・・・。また近くでは、マンリョウの赤い実たちが、白い積雪に映えていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年08月14日
- 更新日
- 2016年09月12日 12時 53分