TOP > テーマ別おすすめ画像 > 冬積雪の京都「銀閣寺」
テーマ別おすすめ画像
冬積雪の京都「銀閣寺」
京都の銀閣寺は正式の名称を東山慈照寺といい、臨済宗で相国寺派の塔頭寺院の一つです。室町幕府の八代将軍であった足利義政が、造営した山荘を起源としているとのことです。その後、室町時代の後期に栄えた東山文化を代表する建築と庭園美として、国内外に有名・・・。現在は、古都京都の文化財の一部として、世界遺産に登録されています。
楼閣である銀閣(観音殿 国宝)は柿葺で、質朴さの中に高貴さを加えた宝形型の重層構造です。初層は住宅の風で「心空殿」、上層は禅宗様(唐様)の仏堂で「潮音閣」と呼ばれます。そして書院造りの基となる意匠が取り込まれていて、東山文化の代表的な建築物とみなりされています。
銀閣寺の建物、庭園、池、裏山の森や竹垣などは、春夏秋冬と季節の巡りに合わせて、それぞれの風情を語ります。
今回訪れたのは真冬で、前日からの雪が銀閣寺の観音殿、本堂や東求堂などの建物群の屋根を白く覆い、銀沙灘や向月台をさらに銀白色に輝かせて・・・。庭園の松枝は積雪で少し頭を下げ、時々風で雪が落ちるとともに、ピーンと顔を上げ、粉雪を舞い上がらせていました。
お茶の井や石庭の周りも、苔類が雪解けで濡れては青みを増し、洗月泉は氷結することなく、清水を流し続け、飛沫が射し込む冬陽に白く光って・・・。 華麗に入くんだ錦鏡池の水辺や苔むす庭園では、常緑の低い木や冬の草に混じって、マンリョウ、ウメモドキの赤い実たちが、雪を被りながら光っていました。そして冬の華であるツバキの蕾や花も、緑の葉と白い雪に見守られながら、人々の眼を暖かくしてくれました。静かな銀世界の中で、赤い花や実たちは冬の風情を引き立てていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年07月01日
- 更新日
- 2016年09月12日 13時 08分