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屋久島の自然ー「平内海中温泉」と「田代海岸」ー
屋久島は、鹿児島県の大隅半島の南方向で、約60kmの距離にある島 です。島のほぼ全域が山地であり、1,000mから1,900m級の山々の連なりなり、美しい自然が残されていて、洋上アルプスなどと呼ばれています。島の中央部の屋久杉が自生する原生林や西部林道付近など、島の面積の約20%が,1993年にユネスコの世界遺産に登録されました。また屋久島は堆積岩や火山岩があり、地質学的にも多彩で、温泉や特殊な溶岩に富んでいます。
平内海中温泉は屋久島の南端にあり、磯の中から湧き出ている温泉です。源泉は海面下にあるために、満潮の時には見えず、一日2回の干潮前後の数時間しか姿を現わさないという変わった温泉です。この海岸には足湯の他に、岩礁に囲まれた4つの浴槽があり、手を入れると入浴に適した温度で、かすかに硫黄の香りがします。そして湯に浸かると、目の先は周りの海面とほぼ同じ高さ。海からの波が岩礁に当たっては白い飛沫をあげ、飛んできた水滴が顔を冷やしました。誰もいなかったので、広がる海面と一体となった開放感・・・。貴重な体験でした。
屋久島は火口を持った火山の島ではなくて、堆積岩と花崗岩からなる島で、多彩な岩石が見られます。その一つが枕状溶岩群・・・。屋久町の指定天然記念物になっています。これは約4000万年前に、水深数千メートルの深海底で海底火山が噴火し、生じた溶岩が高い水圧を受けてコロコロと枕状に固まったものです。そして長い年月を経て、太平洋プレートの移動で屋久島の海岸まで運ばれ、海面上に現われた溶岩とのことです。
長い歴史を示す「平内海中温泉」と「田代海岸」の近くには、濃い緑色の葉をもった植物が見られました。その中に混じって、黄色のツワブキや紅色のハイビスカスの花がたくましく咲いていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年10月11日
- 更新日
- 2016年09月12日 11時 20分