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夏・深緑期の小安峡
Oyasu ravine in summer in Akita pref.
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小安峡(おやすきょう)は栗駒国定公園に含まれ、秋田県の皆瀬川上流にある全長約8kmのV字谷の峡谷です。同峡谷のハイライトは、高さ60mもの切り立った絶壁の岩間から、98度にも達する噴泉の大噴湯。もうもうと湯煙を吹き上げ、訪れる人々を驚嘆させます。数多くの噴湯の中でも、とくに水平方向に数メートルもシュッシュツと噴泉を射るように轟音を出す景観は、何度見ても圧倒的です。
渓谷の底には、遊歩道が整備されていて、身近に大噴湯の有様を体験できますが、人々は噴泉の場所だけは足早に通ります。そして遊歩道の周りは、濡れた岩場と青緑色の渓流が美しく流れ、所々小規模の噴湯が、さかんに白い湯煙を立ち昇らせています。そして四季それぞれの山や森の変化を伴って見せるその姿は、大自然の驚異とともに、時の流れの優しさを感じさせます。 また渓谷には滝や急流もあり、散策する人々の眼を楽しませてくれます。そのすぐ近くは小安峡温泉があり、自然に恵まれた天然温泉の郷となっています。足湯も人々を待っていました。
今回訪れたのは夏。峡谷も周りの山々も濃い緑で包まれていました。その中でひときわ目立のは、谷に架かる朱色の橋(河原湯橋)。この橋かあら真下を覗くと、谷底は白く立ち昇る湯煙に覆われ、その中に水平方向に噴出する幾筋もの噴湯が・・・。谷底に下りて、遊歩道を散策すると、噴泉の轟音が耳を驚かし、温かい湯煙が頬を撫でて行きました。目を渓流に向けると、温泉を含むためか青緑色の水流が茶色の岩壁を濡らし、その上には赤紫色のクズの花が、夏の風情を語っていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年04月07日
- 更新日
- 2018年01月29日 15時 34分