TOP > テーマ別おすすめ画像 > 冬の福岡・能古島「スイセン畑、博多湾、春を待つ草木たち」
テーマ別おすすめ画像
冬の福岡・能古島「スイセン畑、博多湾、春を待つ草木たち」
/
能古島(のこのしま)は福岡市にあり、博多湾にぽっかり浮かぶ周囲が約12kmの風光明媚な島です。渡船場からフェリーにて約10分でつく、福岡市民の自然あふれる憩いの島・・・。博多湾に並んで浮かぶ志賀島と同じく、永い歴史もあり、古くは国を守る「防人」が置かれ、万葉集にも歌われています。また鎌倉時代の元寇でも、知られている島です。そして春夏秋冬には、それぞれ異なった風情を見せてくれます。
今回おとずれたのは冬で、玄海灘から寒い風が吹いていました。しかし博多湾に面した東側の丘の斜面は風もやや弱くなっていて、一面に咲くスイセンの白い花は冬の季節を楽しんでいるかのように、花の波となって幾重にも揺れていました。そばに寄ってよく見ると、花の芽や膨らんだ蕾、開花前の首を傾げたような花、そして黄色の花芯をのぞかせるように完全に開くと・・・、殆どの花たちは真横に顔を向け、風に向かっているようでした。
一方、アイランドパークのお花畑は、茶色の土が広がっていて、近づくと段状の畝には、均等に低いながらも緑の苗が並んで植えられていました。春に咲くナノハナ畑となるのでしょう。またミカン畑には黄色い実たちが枝を垂れ下げていていました。その先では博多湾に浮かぶ船が霞んで見えました。また島の所々に赤、黄、紫、白色の花や実、冬芽を付けた草木が、そして路傍の石仏や港の古い建物も、冬の寒さを我慢しながら、春の来訪を待っているようでした。冬の能古島は、何か心に染み入る風情を持っていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年06月15日
- 更新日
- 2016年09月09日 13時 19分