癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　銀山温泉は、昔の出羽国、現在は山形県の尾花沢市にある温泉街です。渓流が下る銀山川の両岸に、木造の高層建築である旅館が多く立ち並び、それらは大正から昭和初期にかけてロマン溢れる風情を醸し出しています。訪れる人々に、郷愁を呼び起こします。近くにはは長蛇渓、洗心峡と呼ばれる美しい渓谷が続きます。そして温泉街のそばでは、「籟音の滝」や「白銀の滝」などが、温泉客を四季折々の景観で誘います。

　冬、銀山温泉は深い積雪に包まれます。銀山川沿いに建てられた、多くの木造の高層建築の屋根は白一色。軒先には氷柱が下がります。そして銀山温泉の情緒を高める「こて絵」の壁や、川に架かる朱橋の赤い色が、積雪に映えます。また川沿いの道に接してある足湯や用水からは、湯気が風に流されながら・・・、家族の声が温泉街に響きました。緑に囲まれた銀山温泉も素敵ですが、白一色の銀山温泉街は、日本の伝統ある文化が静寂の中に漂い、心に染み入る情緒が、身体も心も温めてくれます。（潮 信輔）