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氷雪期の襟裳岬と襟裳岬灯台
襟裳岬(えりもみさき)は北海道にあって、北海道の背骨と呼ばれる険しい日高山脈の最南端が、太平洋に向かって突き出した岬です。岬の先も山脈がそのまま海に続いていて、これらの岩礁群が列をなして数キロ先まで海上に伸びています。岬の周辺は高さが50mを超す断崖となっていて、風速10メートル以上の風の吹く日が、1年間に260日以上もあるとのこと。また太平洋の荒波が岬や海上の岩礁帯に当たって、列状の白波を頻繁に立てています。この様な豪壮な大自然が造る景観のため、襟裳岬は日高山脈襟裳国定公園の中核を成し、歌詞にも登場する襟裳岬・・・。白亜の灯台や風のテーマ館である「風の館」もあり、ピリカやゼニガタアザラシも生息しています。
襟裳岬には白亜の大型灯台が立っていて「日本の灯台50選」にも選ばれています。また沖合で暖流と寒流がぶつかり合う為に、濃霧が発生しやすいため、霧笛や無線方向探知局も備えられているとのこと。
今回訪れたのは辺り一面が積雪や氷で覆われた氷雪期。零下9度前後の凍えるような早朝、手袋をしていても、冷たさで指先が痛く、足元は登山靴を踏みしめる毎にパリパリと音を立て、太平洋からの強風は手で抑えても、三脚を揺らすほどでした。遠くを見ると、岬の断崖や列をなす岩礁群に向かって、高い白波が砕けては渦巻いていました。氷雪が付着した襟裳岬の標識や歌碑、平地の積雪面に残る波状の風雪紋・・・。新たな雪が流れて、周りの低い枯れた草木も揺れ続ける中、びくともしない白亜の灯台は頼もしく、塔先の風向計は忙しく動いていました。そして強風に乗って時々、白い海鳥立ちの声が遠くなったり、近くなったりしながら、毛糸の帽子を通して聞こえて来ました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年03月26日
- 更新日
- 2016年09月12日 10時 44分