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深緑期の西祖谷「かずら橋」と周辺
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「祖谷かずら橋」は徳島県三好市西祖谷山村にあって、自生した「シラクチカズラ」を編み連ねて創られた原始的な吊り橋です。祖谷川に架けられた長さ45m、幅2m、水面からの高さは14m。日本三奇橋のひとつとして知られていて、重要有形民俗文化財に指定されています。その由来は、弘法大師が祖谷に来たとき、困っている村民のために架けたとか、あるいは平家の落人がこの地に潜み、追手が迫ってもすぐ切り落とせるように葛を使って創ったとの諸説があります。またすぐ近くには、平家伝説を持った「琵琶の滝」が、いつも水しぶきを立てています。祖谷川の渓流に架かる吊り橋と琵琶の滝や森が織りなす自然は、四季おりおり、美しい景色を見せてくれます。
今回訪れたのは、濃い緑に囲まれたまだ暑い時期。橋や滝の周りは深緑の木々で包まれ、森からはセミの声がひっきりなしに聞こえていました。葛が巻き付いた吊り橋の上を人々が、恐る恐るわたり、時には揺れるため黄色い声が・・・。隙間のある板の下は、エメラルドグリーンの渓流が見え、目を遠くに向けると、岩間を流れる祖谷川が白波を立て、河原では若い人々が岩と岩を飛び回っていました。また吊り橋から数分で行ける所に、琵琶の滝があり、岩や滝壺に当っては白い飛沫を立てていました。この滝の横にあるカエデの木が、深緑の葉を揺らして・・・。傍の森にはピンク色のシュウカイドウが咲き乱れ、紅一点の彩りを見せていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年10月02日
- 更新日
- 2016年09月16日 14時 06分