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春・新緑期の豊後「富貴寺」
Fukiji Temple in spring
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国東半島は両子山の付近から八方に流れる尾根が、山や谷をつくり、急峻な地形を産み出します。そのため古くから、日本古来の山岳信仰の霊地、修行の場へ・・・。そして奈良時代末〜平安時代に入ると、次第に寺院の形態を取り始め、仏教文化とくに天台系の密教が栄えてきました。富貴寺(ふきじ)はその一つで、大分県の豊後高田市にある天台宗の寺院で、山号は蓮華山です。
国東半島も戦乱と栄枯盛衰が繰り返されました。しかし12世紀の建築と考えられている富貴寺の大堂は、難をまぬがれて、平安期の阿弥陀堂の姿を今に伝えています。 そのため大堂(阿弥陀堂)は、京都の平等院の鳳凰堂、岩手の中尊寺の金色堂と並び、日本の三大阿弥陀堂に数えられています。九州最古の木造建築でもあり、国宝に指定されています。そして四季の変化は、歴史の重みを受け継いで、富貴寺をより濃く彩ります。
春の富貴寺は森も木々も苔も、鮮やかな新緑に包まれます。古い黄褐色の土塀が新緑を引き立てていました。境内にあるカエデ、イチョウ、カヤの巨木が、一斉に明るい黄緑色の新緑を身に付け・・・、富貴寺を輝かせていました。そして参道の赤いツツジ、薄紫色のシャガ、ピンク色のツバキ,紫色のキランソウたちも、富貴寺の阿弥陀堂や仁王像、歴史を秘めた石仏群に声援を送っているようでした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年09月16日
- 更新日
- 2018年04月16日 17時 31分