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春・新緑期の一関「厳美渓」
Gembikei Gorge (canyon) in spring
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一関の厳美渓は、栗駒山を源として流れる磐井川の中流にあって、約2kmにおよぶ渓谷美で有名です。石英安山岩質の凝灰岩が造った、男性的な切り立った巨大な岩壁。その間を滝や清流が岩に当たっては、白いしぶきを飛ばしています。長い年月を物語る奇岩や怪岩、岩盤の川床、甌穴群。川幅が広い所では、エメラルドグリーンに光る深淵の水流が、灰褐色の岩を常に濡らします。
春の厳美渓は生命力に富んでいます。渓谷の岩に、冬木立に積もっていた雪は消え、周り一面が新緑に包まれ・・・、天工橋から上流を望むと、岩壁の間を流れる続ける水は、雪解けのためかその量を増し、遠くでは怪石群に当たって豪快な水しぶきを挙げていました。
一方、天工橋から下流は流れも穏やかになり、エメラルドグリーンの水面の所々は、岩に当たって白い筋を描いていました。また名物の郭公団子(空飛ぶ団子)は、売り切れのようで、黄色い旗が垂れていました。傍の東屋近くにある岩に見回すと、大小の岩に挟まれて、名も知らない低い木が若葉を萌やし、白い花をつけています。そして上を見上げると淡い紫色のヤマフジの房が、谷からの春風に盛んに揺れていました。春の厳美渓は、若い緑に覆われ、新しい息吹に満ちていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年06月27日
- 更新日
- 2023年02月07日 21時 42分