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十和田・奥入瀬渓流「穏やかな流れと流木・倒木の四季」
我が国の渓流美を代表する「奥入瀬渓流」は、十和田湖の「子の口」から自然そのもので、原生林の中を流れ下る清流です。湖からほぼ一定の水量で流れ来るので、谷、岩や林などの地形で急流や早瀬になったり、また穏やかでゆったりした流れになります。これに銚子大滝、雲井の滝など多くの滝が加わり、変化に富んだ渓流・・・。四季それぞれの景観で、見る人の目と心をとらえつづけます。
「奥入瀬渓流」は、静かな森の中を穏やかに流れる渓流で有名です。ところどころ速い流れのところもありますが、全体的には優しく、ゆったりと流れるその姿と、せせらぎの音が訪れる人々を魅了します。車道からすぐ横の遊歩道を歩いて行くにつれて、心が洗われてゆく気がします。原生林から自然に倒れた木や渓流で、しばらく憩う流木たちの姿は、四季それぞれの趣で皆を迎えてくれます。
暑い深緑期、原生林からの自然に倒れた木や流木たちは、穏やかな流れのところで苔むし、幹の上で息づく幼い草木を背負います。川面を通して伝わってくる涼風が、ほんのりと汗ばむ頬に心地よく・・・。
秋になると木々は黄や紅色の葉をまとい、倒木や流木のそばでは枯れ落葉が集まっては、またゆっくりと流れに戻って行きます。
冬、深い積雪に覆われた原生林も渓流も、白一色の世界へ。葉がすっかり落ちた原生林は、見通しが良くなり、倒木や流木、岩の上に雪が厚く積もり、静寂そのものです。冬木立の枝に積もった雪は時おり、バサッと音をたてては粉雪を舞わせます。
そしてやっと来た春。森の木々は黄緑色に萌える新しい、緑いっぱいの景色に・・・。雪解け水を含んだ渓流はやや水量を増し、穏やかな流れのところも、少し活気づきます。流れの岸では、春を告げるスミレの薄紫色の花弁が、ひときわ目立ちました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年09月21日
- 更新日
- 2016年09月21日 14時 19分