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十和田・奥入瀬渓流「速い流れと岩の四季」
Four seasons of fast flow of Oirase valley stream in Aomori pref.
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我が国の渓流美を代表する「奥入瀬渓流」は、十和田湖の「子の口」から自然そのもので、原生林の中を流れ下る清流です。湖からほぼ一定の水量で流れ来るので、谷、岩や林などの地形で急流や早瀬になったり、また穏やかでゆったりした流れになります。これに銚子大滝、雲井の滝など多くの滝が加わり、変化に富んだ渓流・・・。四季それぞれの景観で、見る人の目と心をとらえつづけます。
「奥入瀬渓流」は、静かな森中を穏やかに流れる渓流で有名です。ところどころ速い流れのところもあり、「阿修羅の流れ」、「三乱の流れ」、「飛金の流れ」がその代表的な場所です。
深い緑で囲まれた夏、上の場所での速い流れは、苔むした岩や流木に当たっては、白い飛沫を巻き上げ続けます。
秋、森の原生林は黄色や紅色が目立ち、遊歩道は枯れた落ち葉で敷き詰められます。そして渓流は勢いを減らすことなく流れ去ります。ただ岩の上に落葉を乗せ、風に吹かれては水流に浮かびながら去って行きます。
厳しい冬。渓流を囲む原生林は深い積雪で覆われ、足元から粉雪が舞い上がりました。岩も流木の上も真っ白の雪が積もり、時々風に吹かれて枝から積雪がバサッと斜めに落ちました。しかし渓流は幅が狭くなったていましたが、凍ることなく微かな音を立てて流れ続けていました。
そして春は新緑を抱いて奥入瀬渓流を包みます。流れが速い「阿修羅の流れ」や「三乱の流れ」では、シャワーのように射し込む陽光が、跳ねるような飛沫をいっそう白くし、浅緑の葉をキラキラと光らせます。訪れた若人の声も、華やいでいました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年04月05日
- 更新日
- 2017年05月05日 14時 38分