癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

信州の乗鞍高原には多くの景勝地があり、春夏秋冬それぞれの魅力で、人々を惹きつけます。その一つにあげられるのが、標高１５８０ｍ、乗鞍岳の噴火によって出来た「牛留池」。乗鞍国民休暇村から数百メートルの所にある溶岩台地の窪地に生じた小さな池ですが、素朴な原生林にかこまれ、四季折々の風情に満ちています。

冬を除けば晴れの日には、朝霧が消えると鏡のような池面に、乗鞍岳の全景が逆さに映り、その美しさに見とれます。時折そよいでくる風と水面のさざ波。冠雪した乗鞍岳の投影もほんの少し揺れ、幻想的な風情に包まれます。 そして冬は牛留池は氷結し、冬木立が多い森に囲まれ静寂の世界へ。

　この「牛留池」の周りは、細い散策路が整備されています。雑木林の中、木道や木の根道をゆっくり歩きながら、変わった姿の幹や根元に驚きながら、野草や黄葉にも心を移しつつ・・・。冬には氷雪に埋もれた路を、サクサクと踏みしめながら歩くと、心も浄化されます。そして野鳥のさえずりは、森の静寂を一層深めます。このちっぽけな池は四季の美しい姿で、いつも逍遥する人々を魅了し続けます。(潮 信輔）