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富士山麓「白糸の滝と周辺」の四季
Four seasons of Shiraito Fall at the foot on Mt. Fuji
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「白糸の滝」は富士山の雪解け水が長い年月を経て、古い溶岩の断層から直接に湧き流れ落ちる滝です。日本の滝百選にあげられる高さ26m、幅130mの名瀑。とくにU字型に湾曲した断崖から、石清水として大小無数の滝が、絹糸を垂らしたように見えます。その姿から名付けられた「白糸の滝」・・・。繊細で女性的な美しさに満ちていて、四季の移ろいに沿いながら人々を迎えます。
夏の「白糸の滝」は、滝の全体が緑の森に包まれ、渓流の白さも鮮やかでした。そして褐色の岩間から筋状に流れ落ちる多く石清水が、新緑と深緑が混じる草木の枝を濡らし、傍の白くて可憐なユキノシタを揺れし続けていました。
秋、滝の周囲は、そっと静かに黄葉色に染まり始めていました。滝の近くでは紫色のトリカブトの花が濡れ、その傍では白くて目立たないカニコウモリの花が、首を振っていました。
冬の「白糸の滝」と周辺は深い積雪はありませんでしたが、滝の周りは固まった雪の塊があり、また水辺では氷柱が下がっていました。冬木立の枝、灰褐色の草が空っ風に揺れて・・・。しかし、滝は凍ることなくゴーゴーッと流れ落ち、滝壺では飛沫を挙げていました。
春。周りの草木が春の新緑に萌え立つ中、「白糸の滝」も生き返っように、水量を増やしていました。雪解けの水が加わっているからでしょう。そしてU字型に湾曲した岩壁の間からは、黄緑色や萌黄色の木々に囲まれて多くの石清水が、細流となりながら白い筋を垂れ落ちていました。
富士山の麓で、四季が織りなす風情に包まれ、常に「白糸の滝」は絹糸を垂らしたような姿を保ち、皆を魅了します。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年09月09日
- 更新日
- 2017年09月10日 10時 47分