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富士山麓の「音止の滝と周辺」の四季
「音止の滝」は静岡県の富士宮市にあり、落差25m、幅約5mで、芝川から流れ落ちる滝です。その勇壮な姿と轟音をたてて落下する姿は男性的です。そして約100mしか離れていない女性的な「白糸の滝」と隣り合わせに位置しています。 女性的な「白糸の滝」と男性的な「音止の滝」・・・。曽我兄弟が密談する声を、この滝が防いでくれたとの伝説から名付けられた滝とのことです。「音止の滝」は四季折々の景色に合わせて個性をみせ、やはり富士山麓を彩る風情の一つです。
夏の暑さの中、轟音を立て雄々しく落ちる滝は、やはり男性的。青緑色がかった滝壺に、白い飛沫を巻き上げながら、時おり水煙が頬まで届き、一刻の涼しさを運んできます。近くでは薄紫色のイワシャジンと紅色のノコギリソウが、元気よく咲いていました。
初秋、滝の周りは、まだ深緑の植物たちに囲まれていました。しかし黄葉がチラホラと混じり、青紫色のリンドウとトリカブトの花が、秋の訪れが近いことを告げていました。
冬の「音止の滝」は凍ることなくゴーゴーッと流れ落ち、滝壺では飛沫を挙げていました。滝の周りは固まった雪の塊があり、水辺の一部に見られ氷柱。また冬木立の枝、灰褐色の草が空っ風に揺れていました。そして近くからは、青空と白雲の中で、富士山がくっきりと見えました。
そして春。滝への散策路のそばには、多くの紅紫色の花弁をまとった満開のツツジが、本格的な春が来たことを告げるように咲き誇っていました。滝の周りでは、黄緑色の若葉や新緑が萌え出ていました。
男性的な「音止の滝」は男性的で、冬には厳しさが増します。しかし春から秋には、いろいろな花たちが、優しく迎えてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年03月12日
- 更新日
- 2019年03月12日 11時 44分