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冬・落葉期の富士山麓「白糸の滝」と「音止の滝」
富士山麓にある「白糸の滝」は、雪解け水が長い年月を経て、古い溶岩の断層から直接に湧き流れ落ちる滝です。日本の滝百選にあげられる高さ26m、幅130mの名瀑。とくにU字型に湾曲した断崖から、石清水として大小無数の滝が、絹糸を垂らしたように見えます。その姿から名付けられた「白糸の滝」・・・。繊細で女性的な美しさで、よく知られています 一方、「音止の滝」は白糸の滝の隣り合わせにあって、芝川から流れ落ちる滝です。曽我兄弟の伝説から名付けられた滝との事。落差25m、幅約5mで、勇壮な姿と轟音をたてて落下する男性的な姿と音・・・。わき立つ白い水煙が、周りの緑一色の景色に映えていました。
今回訪れたのは1月下旬。富士山麓は風の冷たさが、手袋と靴底を通して痛いほど伝わってきました。「白糸の滝」と「音止の滝」は深い積雪はありませんでしたが、滝の周りは固まった雪の塊があり、また水辺では氷柱が下がっていました。冬木立の枝、灰褐色の草が空っ風に揺れていました。しかし、滝は凍ることなくゴーゴーッと流れ落ち、滝壺では飛沫を挙げていました。そしてその周りでは、ユキノシタの葉たちは、飛沫に濡れながらも緑色を保ち続けて・・・、コケ類も枯れることなく春の訪れを待っているようでした。 冬季でも、やはり女性的な「白糸の滝」と男性的な「音止の滝」は、対照的な個性をみせ、富士山麓を彩る風情の役割を果たしていました。耳に両手を当てて頭を上げ富士山を見ていました。すると山容に懸かっていた白い雲は、次第に薄くなり、やがて澄み切った青空となり、富士山の雄大さ、壮麗さを実感しました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年01月06日
- 更新日
- 2017年06月22日 22時 35分