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東洋のナイアガラ「吹割の滝」の四季
群馬県の大田にある吹割渓谷は、片品川の支流に位置します。数キロにわたる大絶壁と森林の中の「詩のみち」、凝灰岩や花崗岩からなる河床の清流、滝・・・、独特の渓谷美をみせてくれます。岩からなる広い河床の「千畳敷」、浮島に架かる2つの橋とそばの「浮島観音堂」、獅子岩・屏風岩・般若岩などの奇岩。そして何と言っても,東洋のナイアガラと呼ばれる天然記念物「吹割の滝」が圧巻です。
「吹割の滝」は、渓谷の清流が永い年月を経て、岩質からなる河床の軟らかい部分を浸食して形成されました。その割れ目に落ち込む瀑布が、巨大な岩を吹き割ったように見えることから名付けられました。高さ7m、幅30mにおよんで、広い河の水が割れ目に落ち込み、ゴウゴウと水煙を揚げる姿・・・、他の滝では見られない景観です。
この滝に訪れる四季は、毎年それぞれ異なった姿を見せてくれます。夏、深い緑に覆われた渓谷の中を流れる渓流は、「吹割の滝」の近くではその勢いを増し、四方から豪快に白い飛沫を立てながら渦巻きます。それらの間にあってやや穏やかになった水面は、緑色を帯びていました。次いで秋、両岸辺の森林は、黄色や紅色に染まり、水の白さを引きたてます。そして厳しい寒さの冬も容赦なくやってきます。川岸や岩の周りで、所々で氷結していましたが、片品川の流れは止まず、渓谷の落葉樹は、冬木立の森林へ・・・。その根元や奇岩群には雪が積もり、山水画の様な景色でした。
そして待ち遠しい春が、やって来ました。渓谷は淡い緑色の新緑が萌え、人々の足取りも軽やかでした。雪解けで水量を増した流れは、再び勢いがありました。岸の上ではピンク色のヤエザクラが満開でした。(潮 信輔
- 登録日
- 2016年11月06日
- 更新日
- 2017年05月11日 14時 17分