TOP > テーマ別おすすめ画像 > 冬・積雪期の「吹割の滝」と「吹割渓谷」
テーマ別おすすめ画像
冬・積雪期の「吹割の滝」と「吹割渓谷」
吹割渓谷は片品川の支流にあります。数キロにわたる大絶壁と森林、凝灰岩や花崗岩からなる河床の清流、滝・・・、独特の渓谷美をみせてくれます。岩からなる広い河床の「千畳敷」、獅子岩・屏風岩・般若岩などの奇岩。そして、何と言っても東洋のナイアガラと呼ばれる天然記念物「吹割の滝」。
この滝は、渓谷の清流が長い年月を経て、岩質からなる河床の軟らかい部分を浸食して形成されました。その割れ目に落ち込む瀑布が、巨大な岩を吹き割ったように見えることから名付けられた「吹割の滝」。高さ7m、幅30mにおよんで、広い河の水が割れ目に落ち込み、ゴウゴウと水煙を揚げるその姿・・・、他の滝では見られない景観です。また近くには「鱒飛の滝」があり、急流となって水しぶきをあげています。
今回訪れたのは冬。展望台から見下ろした渓谷は、積雪と冬木立の森を主とした、山水画の世界でした。キュキュッと鳴る雪の音をかみしめながら、河岸の遊歩道を歩くと、河床から流れ落ちる広い滝が、轟音が響き渡らせ、さかんに水煙りをたて続けてい・・・。その姿は「東洋のナイアガラ」と呼ばれるのに相応しい豪壮な景観。渓谷を見上げれば、硬い雪や氷柱を着けた数々の奇岩群が、冬枯れの木々を連れて存在感を示していました。更に進むと急流と共に躍動する「鱒飛の滝」へ。その滝口は氷雪に囲まれ、岩に当たっては水しぶきを散らし・・・、滝壺からは水煙を巻き上げていました。層を成した積雪には青い箇所もあり、清流を物語っていました。
長く続く渓流の岩場では、積雪の岩から鋭い氷柱が垂れ下がり、岩間には枯れ落葉が雪と共に積っていました。そして所々で冷たい氷雪に接しながらも、野草たちが緑の葉を保っていました。東風が吹く春になると、これら野草たちも黄緑色の葉を萌やすことでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年08月12日
- 更新日
- 2016年10月19日 11時 46分