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九州がんセンターの「モミジバフウ(紅葉葉楓)の四季」
モミジバフウ(紅葉楓)は、北アメリカから中南米において原産する落葉性の高木です。我が国へは大正時代に渡来。高く伸びる樹形が美しいので、現在は街路樹や公園木として植栽されています。別名はアメリカフウ。雌雄同株で、4月ごろに雄花と雌花が別々になって、頭状花序をつけます。雄の花序は長さ5〜8cmの総状で、雌の花序は球形となって垂れ下がります。
葉がモミジによく似ているので、モミジバフウと名づけられました。実際、葉は5〜7裂。これらの葉は、緑から黄色、紅色へとしだいに色付き、晩秋には真っ赤に美しく紅葉します。
モミジバフウの花は、花弁がなくて目立ちません。しかし丸く垂れ下がった雌の花序は、さく果が多数集まり,棘が多い集合果へと生長します。風が吹くと揺れ、遠くからも判るようになります。しかも落葉した後も、長い間、枝に残り・・・その風鈴のような姿は、風情に富んでいます。
現在の九州がんセンターの敷地にある4本のモミジバフウ(紅葉楓)は、昔より植わっていたことでしょう。九州がんセンターの沿革をみますと、同じ敷地内に、戦時中は昭和19年に臨時福岡第二陸軍病院として創設。戦後の昭和20年12月に国立筑紫病院として新たに発足し、38年には国立福岡南病院と名称を変えてきました。そして昭和47年に、九州がんセンターとして新たに設立しております。この長い年月の間、モミジバフウ(紅葉楓)を、わざわざ人々が見に来ることも少なく、あまり目立たない存在でした。しかしこの間も、4本の樹木は次第に大きくなってきたことでしょう。。
そして今年(平成28年)、九州がんセンターは44年ぶりに同じ敷地内に建て替えられて、立派な新病院として新たな役目を担おうとしています。これらのモミジバフウ(紅葉楓)は、今度は新病院の玄関そばで,一番目立つ4本の樹木となって人々を迎えています。新病院のシンボルとなっています。今後とも、四季の変化を身にまといつつ、九州がんセンターの歴史を見続けてくれるでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年09月07日
- 更新日
- 2016年09月09日 11時 24分