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春満開の福岡「桧原桜」
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「桧原桜(ひばるざくら)」は、福岡市の南区桧原にある古い桜の並木です。そして心が温まる優しい人情物語が生まれた、福岡の桜の名所(桧原桜公園)になっています。そのエピソードを以下に紹介します。
福岡市南区にある蓮根池にそって長住町と檜原町をつなぐ道には、毎年、美しい花を咲かせていた十数本の古い桜の木がありました。そして昭和59年、道路拡張工事によって、桜の木が切られるとわかったある朝に、一枚の色紙が桜の木にかけられていました。
短冊には 花守り 進藤市長殿
「 花あわれ せめては あと二旬 ついの開花を 許し給え 」(詠み方知らず)と書かれていたそうです。
これに対して
「 桜花(はな)惜しむ 大和心の うるわしや とわに匂わん 花の心は」と返歌を詠まれた方があり、後に福岡市の進藤市長の返歌と分かったそうです。この話は新聞にも載り、関係者の方々の尽力で、計画を変更する粋な計らいで、「桧原桜」は『終の開花』を許されました。
あれから30年以上も経ちましたが、樹齢70年を超える古い桜の木たちは、春には短冊の歌とともに、昼も夜も風流ある美談を抱いて咲き続けています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年01月19日
- 更新日
- 2017年01月27日 11時 16分